| >気持ち良く流れる展開を考えるコツはあるのでしょうか 話の「構成」に当たる部分ですね。物語全体は「内容」「構成」「演出」等いろいろ分離して捉えられます。うち「構成」としては、例えばシーンA→B→Cとプロットを書いた時に、B→C→Aの方が面白いのでは?A→D→B→Cと間に別のものを入れた方が良いのでは?など色んなパターンを想像して遊ぶと楽しいです。自作や商業作品(特に自分が面白いと思った作品)に対して色々検討するとたぶん力もつく(適当)。 今回の#1#3に関しては、下の方の各論に詳しく書きました。はえーこんな意見もあるのかくらいでどうぞ。
>自分が本作を描くにあたって原動力になっているのは「3年かけて構築した世界観を誰かに伝えたい」「可愛い自キャラを動かしたいし設定とか伝えたい」の2つの欲求なので、一刻も早く世界観とキャラ設定を伝えたいがためにストーリー構築に関しては安直になってしまい わかる〜わかります。一刻も早く世界観やキャラを知ってほしいし、その知ってもらった上で描ける話を書きたいんですよね。ぼくも勇み足してしまうタイプです。 だけど、「世界観が知られていない段階でしか描けない話」もあるんですよね。例えば贖罪クアドロの設定でしたら、「ペインテッドたちは絵の中に入れる」という設定が読者に知られていない段階でのみ、「美術館に行って絵に惹かれて近づいたらやべえ異世界に落ちてしまっててんやわんや」みたいな短編が一本書けるわけですよ。知られてからでも描けるんですが、知られてからだと「あーペインテッドだもんねわかる」になりますが、知られる前なら「??絵に入るの??絵の中の世界ってどうなってんの???」と主人公視点でドキドキできる。(この展開は、θちゃんが絵嫌いという重要設定がある関係上叶わないので、あえて例に使いました) 「読者が世界観やキャラを知る」段階はそれだけでお話が作れる。全部やってたら連載が無限に伸びるのでリソース配分は熟慮しつつ、頭の片隅に置いておいてください。
ともあれ、じっくり作り上げた世界観を、この先どう表現されるのか楽しみにしています。そして、それがより魅力的に表現されたら読者としてもめちゃくちゃ楽しいです。参考になったなら幸いです。
「乱立」の解消について。 「ぼくのかんがえた#1」を出したプロセスとしては、#1の複数の話題をいかに一つにつなげるか(「乱立」の解消)を第一にして考えました。そのためにしたこと↓ ・一般女性とτを同一人物にする(どちらも新登場キャラなのでできる技)。関係性の枝葉を落とし、注目すべき関係性のみに絞ることができる。 ・μに、異能やτに言及させる。例えば異能に言及すると、「θの異能シーン」→「θの異能に言及する人物(μ)の登場シーン」の流れができる。これはもともと「θの異能シーン」-x->「μの登場シーン」と断絶して*いたが、μが異能へ言及することで繋がるのです。
「過密」の解消について。 訂正します、見直したところ#1はほぼ「乱立」が問題であり、「過密」はほぼ無いように思いました。強いていえば、µとτの会話が解説的なくらい。 #3、過密の印象を抱いた理由を考えたところ、「これを理解しないとそれ以降の展開が理解できない」という重要情報が、狭い範囲に詰め込まれていたからではないか、と思いました。読者としては、「完全には理解していなくても読める」、あるいは「理解し飲み込むだけの時間や描写がある」方がありがたいです。 手段として、「見せてから説明」は有効です。「言葉では説明しないが、描写や雰囲気で何があったか推測がつく」(見せる)→「言葉(あるいは原因部分の描写)で完全に理解させる」(説明する)の手順です**。これは、#1冒頭「怪事件」の話題や、#3冒頭で「異世界について」の話題に関し、尸予先生が実際にできていることです。 一方で、#3の冒頭より後の話題は、ほぼ言葉ばかりで説明的です。この場合、「全話題をわかりやすく描写する」ができれば良いですが、分量が増えてくどくなりかねないし、「話題を減らす」、あるいは「全話題を説明せず描写してしまい、後で説明パートで全部説明する」とかをしても良いかもしれません。
注釈 *作者には、異能者であるθにμが目をつけたことはわかっているため繋がって見えます。しかし、読者にはこの時点ではμが唐突な不審者にしか見えません。また、「0,9,θ」のセリフを挟んでも、まだ読者には「異能」と「μ」が繋がりません(「体の文字」と「異能」の繋がりは読者にはまだ無い)。これは明確な言及によってすぐさま繋がります。
**例えばジョジョでは随所でやっていますが、一例として康一くんの初エコーズのシーン。「玉美の体に擬音が貼り付き、音が響く」が何度か繰り返され、読者が「(おそらく康一くんの)スタンドである」、「音に関係する現象である」と推測します。その後スタンド本体が登場し、康一くんが「岩にしみ入る蝉の声」などと解説することで、読者の想像と合致し、単に言葉で説明されるのではなく自分の心の中で理解できるのです。
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